富士山山開き、山頂に行けず 雪多く、１０年ぶりに

７月１日に山開きする富士山が、軽装備では山頂まで行けないことが山梨、静岡両県の現地調査でわかった。春先の雪が残っているためで、１０年ぶりに山頂での「ご来光」は拝めない見通しだ。

　両県が２０日、現地調査した結果、８合目以上の雪が多く、現時点では山頂までは行けないと判断している。両県とも来週、再び雪の解け具合を見て最終判断する。

　両県によると、富士登山は、「吉田口」「富士宮口」「御殿場口」「須走口」の４コースがある。御殿場、富士宮の２コースは、最近では００、０２年に山開きの日に山頂まで行けないことはあったが、吉田、須走口ともに山頂まで行けた。どのコースからも山頂まで行けない場合は９７年以来になる。

　記録的な暖冬だった今シーズンは、各地で降雪は少なかった。気象庁や静岡県によると、冬の間は雪は少なかったが、春先から寒気が列島に流れ込み、気温の低い富士山では雪が降ったため、根雪が残ったのではないかとみている。

　山梨県富士吉田市富士山課によると、雪解けによって鳥がはばたくように見える山肌の残雪「農鳥」の出現は今月１５日で、例年に比べ１カ月ほど遅かったという。農鳥は富士北麓（ほくろく）に春を告げるとされ、地元では田植えなどを始めるきっかけとなる。 asahi.com参照